「慣れ」という落とし穴

総務・人事部での業務経験者が、社会保険労務士試験に不合格になるケースでは、「私は業務慣れしているから、他の人よりも、ずっと知識があるのだ」という感覚が出てきやすいからだとも言えます。

こうした人達は、業務経験を持っているがゆえに、どうしてもその経験に頼ってしまう人がいるのです。「ああ、健康保険のことだったらよく知っているから、後回しにしよう」という、ある種の“手抜き”が起きやすいのかもしれません。

また、業務経験があるため、基本がおろそかになるという懸念もあります。試験と経験は、一旦切り離した状態で学習した方がよいと言えます。

例えば、”任意継続被保険者“という言葉を聞いて、ぱっと概略がイメージできてしまう人であっても、一旦、そのイメージは白紙に戻し、まず、その言葉の定義や基本となる考え方から、もう一度学習し直すくらいの心構えを持ったほうがよいのです。先入観が、解答の邪魔をすることも、多々あります。よく言われることですが、試験と実務は別物なのです。

一方、全くの門外漢だった人でも合格できるのは、事前知識なしのハンディキャップを自覚しつつ、甘えることなく、基礎から、着実に学習した結果でしょう。逆に考えれば、純粋に”試験用の知識“を積み重ねることができる点では、総務・人事経験者以外の人の方が、有利とさえ言えるかもしれません。

独学では甘えられない

こうした「慣れによる甘えや手抜き」ができない環境は、ある意味では、独学による学習につながるものがあります。

資格学校に通っている場合は、定期的に、同じ環境の受験生と話をすることができます。そこで、「オレ、未だに厚生年金がチンプンカンプンなんだよ!」などという話を聞いてしまえば、「ああ、年金法は、この人も苦手なんだなあ。年金法が嫌いなのは私だけじゃなかったんだ。よかった。」などという、周りの情報による“甘え”“慣れ”が生じやすいと言えます。

ですから、たった一人で学習する独学は、こうした甘えが出てこないという点においては、有利であるとも言えるかもしれません。

独学でも通学でも

これまで、社会保険労務士試験と独学との関連について、お話ししてきました。この試験は、独学でも合格レベルに達することができますが、決して、通学よりも独学の方が向いているという話ではありませんし、もちろん、その逆でもありません。

結局は、自分に合った方法を採って学習し、合格というゴールに達すればよいのです。これから社会保険労務士試験に挑む皆さん、がんばってくださいね!

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